あらとさんは気まぐれ

思いつくもの書いていきます

小説読みます企画4作目『紅の紋章 』

紅の紋章・赤目の転生者の謎

 

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n1421fy/

 

読みやすさ:★★★★★

世界観  :★★★★

キャラクタ:★★★

テンポ  :★★★★

 

総評:★★★★ 

 

簡単なあらすじ

貴族の子として産まれたローゼンは九歳にして剣技の達人。彼の心にはもう一人の自分『レン』が住んでいて、彼にはローゼンすら把握していない秘密があった。

ファンタジーとミステリーの二重奏が織りなす物語が今――。

 

感想

やっぱり地の文が三人称だと物語に引き込まれますね。

とても丁寧な人物描写と落ち着いた世界観が読み手にストレスを与えません。スラスラと読み進める内に伏線がいくつか張り巡らされ、気づけば手が止まらなくなります。

 

気になるのは序盤からカタカナ2~4文字の登場人物が次々と現れる為、どこかお人形遊び感が生まれてしまう点。なろう小説等に慣れていて、カタカナ主人公でも大丈夫という人は楽しめる作品ではないでしょうか。

 

かなりレベルが高く、登場人物の死と向き合った良作です。

おススメなので一度読んでみてください。

 

 

小説読みます企画3作目『ペンギン達の楽園』

ペンギン達の楽園

http://ncode.syosetu.com/n1967gf/1/

※短編

 

読みやすさ:☆☆☆☆☆

世界観  :☆☆☆★★

キャラクタ:☆☆★★★

テンポ  :☆☆☆☆☆

 

簡単なあらすじ

氷河期が訪れた地球で少年少女が授業を受けている。モニターに映るコウテイペンギン、彼らの様相は様変わりしていて……?

 

感想

 短編は良い…っ!

 星新一先生大好きな私としては、SF短編モノというだけで満点つけようか迷うレベルでした。

 内容も読みやすく、文章も綺麗。ピクサー映画に出てきそうな登場人物及び登場ペンギンが物語を展開していきます。

 

 もう少し高低差のある展開にして欲しいという願望はあるものの、非常に完成度の高い作品でした。さらっと読みたい時におススメです。

小説読みます企画2作目『魔法少年はみかんが食べたい』

魔法少年はみかんが食べたい

https://ncode.syosetu.com/n1302gd/

 

読みやすさ:☆☆★★★

世界観  :☆☆☆★★

キャラクタ:☆☆☆★★

テンポ  :☆☆☆☆★

 

簡単なあらすじ

主人公:大空春はちょっと変わった(?)高校生。ひょんな事から魔導書を手に入れ、愉快な仲間たちと非日常世界へと足を踏み入れていく。

 

感想:

 キャラクターは(好き嫌い分かれると思うが)可愛らしく魅力的。セリフも生き生きして元気を貰える。ただ、地の文が読みづらくて話が入ってきませんでした。

 

 主人公も含めて登場人物の台詞回しが今風で可愛らしく、どこかアニメを見ているような感覚で読み進める事ができます。世界観も現代ファンタジーでとっつきやすく、ヒロイン?も魅力的でした。

 

 惜しむらくは地の文の構成がとても読みづらい所。

 

 本文から抜粋:

 桜が華々しく散っていき放課後の体育館横で春の陽だまりに当たりぽかぽかとして座っている今日のこの頃。

 

 恐らく主人公が陽だまりでのんびりしている所を表現したかったのではないかと見受けられます。しかし、一回流し読んだだけでは桜のカーテンが世界を覆い隠すような情景描写にも見えますし、体育館と桜で入学シーズンを示す文章のようにも見えます。

 

 私は文章とは書き手だけでなく読み手も筆を執っているのではないかと考えています。下書きをなぞらえるようにつらつらと文章を追っていく様はまさに作者の世界への旅そのもの。筆はスッと抜けた後に心地よさが湧き上がるものであり、途中で躓くとモヤモヤします。

 

 

 とはいえ、若さと力強さは感じる作品で、なろうらしさも感じました。

 かしこまった文章ばかりが正解ではない事は商業化されたなろう小説が証明しています。

 

 ぜひ完結まで頑張ってほしいと思いました。

 

  

 

小説読みます企画1作目『Fake Earth』

小説読みます企画

Fake Earth

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n0556fr/

 

読みやすさ:☆☆☆☆★

世界観  :☆☆☆★★

キャラクタ:☆☆☆★★

テンポ  :☆☆★★★

 

軽いあらすじ

バーチャル空間で生き残りを賭けたサバイバルゲームを繰り広げる主人公藤堂頼助。地球を模倣したFakeEarthで死ぬと一生その世界の住人として囚われてしまうという。危険なゲームで藤堂は生き残る事が出来るのか?

 

感想:

 まず文章が丁寧でとても読みやすいと思いました。人物描写が繊細で、きちんと一人一人の登場人物を思い浮かべる事が出来る。これは誰にでも出来る事じゃないと感心しました。

 

 次にプロローグの雰囲気がとても良く、(あらすじを読まなかった関係で)これがミステリーなのかファンタジーなのかそれとも純文学なのかと先の展開にワクワクする事が出来ます。

 

 それ故に、プロローグが終わった途端にバチバチのバーチャルゲーム展開が始まった事には少しガッカリしました。少なくとも先生の下りはある程度きちんと終わらせるべきかなと。

 

 そして気になったのがFakeEarth内の戦い方がコマンドバトルなのか、FPSのような戦い方なのか、アクションや格闘ゲームなのかブレた状態から始まった事です。これは読み手の読解力不足もあるのかもしれませんが、文章能力が高いだけに勿体ないと感じました。

 

 全体的に高い文章能力が使い古された設定や展開を引っ張っている印象を受けました。同系統の作品(漫画ではありますが)に『出会って5秒でバトル』という作品があります。同時に読み進めれば雰囲気が分かりやすくなるかも?

 

総評:

 

 高い文章能力と死ねば大きなリスクが待っている緊張感、それらを打破していく冷静沈着な主人公、異能力バトル系の作品が好きな読者におススメです!

 

 

半年経ってユアストーリーを振り返る。

8月某日に映画ドラゴンクエストユアストーリーを見に行った、、、記憶がうっすらと残っている。

数年以上映画館に足を運んでいなかった自分がこの映画に踊らされた理由は「ドラゴンクエスト」コンテンツに他ならない。

結果は大批判の荒らしであったが、多くの人々はその時の感情を爆発させたにすぎないだろう。

 

改めてドラゴンクエストユアストーリーについて考えてみた。

 

 

 

 

結果、特筆することは何もなかった。

 

 

 

 

DCGがカーストを決める世界で。k話

 

声が響いた。

「お前、深海の癖に食堂使うなよ」

三年E組の米田グループがクラスメイトをからかっている。

 

深海。

日本人の「位」において底辺の位置を表すその言葉。

現代に置いて人種差別と同格とされる暴言をぶつけられた生徒は悔しそうに歯噛みしていた。

 

「いい加減にしろよ。斎藤だって頑張ってSクラスに上がったんだからさ」

 

米田グループが驚愕の表情を浮かべた。

モーゼが海を割ったように、人の集まりが二分する。

 

「た、武田…さん」

 

武田洋一。

この学校で彼の名前を知らない者はいない。

Sクラス序列12位。関東地区代表選手。

文化を極めた日本人全員を対象とした大規模で長期を見据えた実験の成功例。

 

デジタルカードゲーム「NEO」において十二番目に上手い選手。

それが武田だ。

 

「米田。威張ってるけど、お前今何位だよ?」

 

武田の言葉に米田が肩を震わせる。

 

「に、二千…」

「細かい数字は?」

「……わからない」

 

Sクラスには米田の言葉の意味が分かる。

もちろん俺も分かった。

Aクラスまではランクではなく星の数で位が分かれ、条件を満たした者が昇格する。

だが、Sクラスは順位で表示され、勝敗によって変動するシステムが採用されている。

 

「細かい数字が分からないってことは、二週間以上ランクマッチに参加していないってことだ。そんな奴が毎日挑戦している斎藤を馬鹿にするんじゃねぇよ」

「……ぐっ」

 

取り巻きのAクラス達が武田を羨望のまなざしで見つめている。

そもそも同い年のAクラスが例えランクが低いとはいえ斎藤を馬鹿にする権利があるのだろうか。いやない。

 

後なんやかんやあって、主人公はヒロインと出会って困難を乗り越えてSクラス上位をなぎ倒して幸せを迎える予定。

ドラクエ映画について【外野編】

 

 公開から十日ほど経ったドラクエVですが、ご覧になった方はどのような意見を持ったでしょうか?

 

 面白かった。

 駄作だった。

 最高の作品だった。

 侮辱された気分だった。

 

 それら全ての意見が「正解」です。

 SNS上では相反する意見を持った過激派同士で争っている姿が見えますが(それこそかつての花嫁戦争のように)、今回に限っては争う必要なんてありません。

 

 何故なら、双方の見ている視点が全く違うからです。

 

 例えば、こんな映画だったらどうだったでしょうか?

 

 FF7が○○監督の手で映画化! 圧倒的な演出とシナリオで老若男女誰でも楽しめる作品に仕上がりました!

クラウド「俺は誰かの代わりじゃ……ない!」

ティファ「エアリス、あんたしかクラウドを支えて上げられないのよ!」

エアリス「私は……貴方をっ」

 

セフィロス!

セフィロス!

※あのBGM

 

セフィロス「この世界を…滅ぼす!」

 

クラウドとエアリス、バレットが頷き合い、後ろでシド達が武器を構えている。

 

全員「突撃~~~~!!」

 

 ■

 

 恐らく半分の人が発狂し、二割ほどが暴れ、残りの人が絶賛するでしょう。

 

 この架空の映画もゲームキャラを使って王道ストーリーに当てただけの原作とは全く違う作品です。

 

 ここでふと思い浮かぶ事が一つ。

 

「あれ? youtubeでもそんな話題あったな」

 

 昨今、Vチューバーの中の人が交代するという事件が話題になりました。その会社では外皮こそが本体で中の人はあくまで声優、という理念らしいですね。

 

 コンテンツに対して確定情報(例えば過去や年齢身長体重などの変えられない情報)は絶対普遍だと考える人達がいます。

 対して確定情報さえも二次創作の上では変換可能だと考える勢力もいます。(赤ちゃんにしたり、男女交代させたり)

 どちらでも良いと考える私も含めた勢力もいます。(面白ければ)

 

 ただ、二次創作する上で考えて欲しいのは、あくまで原作を踏み台にしているという前提がある事。

 

 例えばポケモン同士がバトルして負けた方のポケモンは殺されるという二次創作があったとしましょう。

 こんなのはポケモンの世界ではないと憤慨する人もいるでしょう。

 対してこれこそがポケモンのあるべき世界、もっと殺伐とするべきと考える人もいるでしょう。

 

 では最初から原作のポケモンのルールが「瀕死→死亡」だったとしましょう。

 貴方はそのゲームが売れると思いますか?

 アニメでサトシのピカチューがジムリーダーのイワークに殺されたとしましょう。

 続きを見たいと思いますか?

 

 この質問でさえ、「俺は思う!」という意見の人がいるかもしれませんが、少なくとも国民的コンテンツとはならなかったでしょう。

 

 話を戻します。

 

 ドラクエユアストーリー。

 

 貴方は本当にその映画をドラクエVの映画として評価していますか?

 

 賛否どちらの意見にせよ、です。

 面白いと考える人、その意見をSNS上に呟く度に原作ファンの心を傷つけている自覚はありますか?

 駄作だと考える人、その意見をSNS上に呟く度、ユアストーリーファンの心を傷つけている自覚はありますか?

 

 お互いがお互いを傷つけているのに「否定派のせいで楽しい映画が台無しだ!」「肯定派がいるせいでまた別の原作が壊される!」などと相手のせいばかりにしています。※もちろんそれ以外の方も沢山います。

 

 最初に述べた通り、どちらの意見も正解なのです。

 

 良い映画だと捉えた場合

 この映画は王道ストーリーで主人公は絆の力で大きな敵を討ち滅ぼす。途中には恋愛や仲間との出会いや別れがあり、それが主人公を成長させていた。

 逆の場合

 ドラクエVのストーリーではない皮を被った何か。監督はそもそもドラクエVをプレイしていない。他のコンテンツで昭和レベルだとされているオチ。恋愛はフローラに操られただけの滑稽な主人公とヒロイン。 ヘンリー王子との絆がほとんど描かれていない幼少期から奴隷時代飛ばし。

 

 どちらも正解で、どちらも仲間。

 俺達は皆、ドラクエというコンテンツを愛しているんだ!!

 

 

 

 

 

 

 ※ここからは原作が大好きで映画もすぐ見に行った私の意見

 

 二次創作が好きな人には評価される映画だと思います。

 先日行われたコミックマーケットでサシャの格好をしたコスプレイヤーがSNS上で叩かれました。なぜかというと、コスプレ用の衣装がハイレグ水着で太ももを完全に晒した痴女のような格好だったからです。

 ですが、撮影をしている人は沢山いたように思えます(写真を見る限り)。

 

 カメラマンにとってサシャ(に扮したコスプレイヤー)がズボンを穿いているかどうかなんて別に興味ないのでしょう。

 可愛い女の子が進撃のコスプレをしている。ポニーテールも一緒だ。可愛い。エロイ。最高。

 

 はい、ドラクエユアストーリーを絶賛している人達と同じですね(過激派の意見)。